ビジネスクラスで行く 大人の世界一周 とSFC修行

子育て終えた49歳。体力・気力・知力に自信がないけど、世界一周に出ます

親子で行くヒマラヤトレッキング Day2 タダパニ激情の夜

タダパニ の宿

朝9:30にゴレパニを出発し、15:20タダパニ に到着。

やった…着いた…今日の日程をコンプリートできた…!

昨日の夜、もう下山するしかないと思っていたので、ここまで来ることができて感激(;ω;)

ゴレパニへ着いてすぐに、ナビィさんが「今日はここに泊まる」と、宿の手続きを始めました。ここ一択?私たちに選択の余地はないのか?

タダパニ のことも山のルールも分からないので、ナビィさんに従います。

でも、ここ…大丈夫?昨日の宿と雰囲気だいぶ違うけど…

まずナビィさんに「シャワーはホットウォーター?」と聞きました。

ナビィさんは渋い顔になって、「シャワーは浴びないほうがいい…。シャワールームがすごく寒くて、たぶんキツイ」

わあ…そうなんだ…。もしかしてお湯が出ないのかな…

部屋を見せてもらうと、またきつかった。

私たちの部屋は2階の4番。ウーさんたちは隣の部屋です。

わあ、なんとも言えない鍵。南京錠がついてます。

なんか監獄のような寒々しい部屋…。昨日と同じく暖房器具はないけど、今日の部屋の方が寒く感じる…。ルームチャージ700ルピー(700円)で昨日のホテルより高い。WiFiはひとり100ルピー(100円)。バッテリーチャージ100ルピー。部屋に電源は無いので、充電は食堂でします。

山の宿はWiFi代が別料金でかかりますが、WiFiを使うためには宿の主人にスマホを渡して、パスワードなどをすべて入力してもらいます。パスワードがわからないので、WiFiを使うには1人ずつスマホを宿の主人に渡し、それぞれWiFi代を払わないといけません。 

ウーさんが私に「WiFiもうやった?」と聞いて来ました。

まだ、というと「やってあげる」と言って私のスマホを操作します。

ウーさんは「Chinese can share WiFi」と言って、謎のアプリを使って私のスマホWiFi使えるようにしてくれました。なに、このアプリ??どうなってるの?すごーい!!

洗面台は2階に1つだけ。トイレは2つ。氷のような冷たい水で顔や手を洗います。石鹸は持参。1階にも同様にトイレが2つと洗面台が1つ、そしてシャワールームが1つあります。シャワーを使うと別料金でさらに200ルピーです。でも、この宿では誰もシャワーを浴びていませんでした。

寒々しい部屋に肩を落とす息子。布団も寒そう。これで寝られるかなあ(>人<;)

食堂にあるストーブ。昨日のホテルより小さいです。夜はストーブの周りに人が集まってぎゅうぎゅうです。昨日と同じように雪で濡れた靴をストーブの周りで乾かそうとしますが、靴をおく場所も確保しにくくて、なかなか乾きません。

しかも、このストーブ、なんか煙くて食堂に長くいると目がチカチカしてきたりします。

食堂の一角のデスクが宿の主人の定位置です(今はいません)。

たぶんタダパニ の宿は選択肢があまりないんでしょう。どんどんトレッカーたちがやってきて満室になりました。黙っていても宿泊者が来るせいか、宿の主人の態度は横柄で、「あこぎな稼ぎしてまっせゲヘヘ」みたいな顔してました。

写真はありませんが、「明日のジョー」の丹下段平みたいな顔です。

本当に丹下段平に似てました。

食堂はとても狭いです。

夜は、私たちもウーさんたちもけっこうスマートフォンで用事をしてますが(調べることが山ほどある)、他の宿泊者たちはトランプしたりサイコロを転がしてゲームしたりしていて、スマホを見てる人はいません。「アジア人はスマホが好き」と言われるのも仕方ない、と思ってしまいました。

ウーさんたちの秘密

夜、ウーさんと話していて衝撃の事実を知りました。

ウーさんが、まず奥様のフアンさんのウエディングドレス姿の写真を私に見せました。とてもステキ。奥様キレイです(*´꒳`*)

「昨日、ゴレパニのホテルの前で撮影したんだ。」

…えっ?どゆこと?

なんとウーさんたちはトレッキング しながら山の上で2人のドレス姿とスーツ姿での撮影会をしているんです。そのため、ウエディングドレスとスーツをリュックに入れて持ってきてる!明日、ガンドルンの宿でも撮影する予定って!!ええっ、なにそれスゴくない!?

私「このトレッキングはハネムーン?」

ウーさん「まあ、そんな感じ。結婚したのは、もう少し前だけど」

ほええ〜、と感心してしまった。2人は30歳。こんなハードなハネムーンある?

山にウエディングドレス持ち込むとか、ある?

ビックリしましたが、心から「なんて素敵な2人」と思いました(*´꒳`*)

その反面、私たち、オジャマでは?と心配になりました。ハネムーンなら2人きりになりたいでしょう?

男性のウーさんはともかく、女性の気持ちを考えたら、絶対2人で過ごしたいと思う。私たちが2人の甘い時間をジャマしてはいけない(>人<;)

明日からは別行動をしよう!と決心しました。

でも翌朝、「ハネムーンなら2人で行動した方がいいよ」と言う私にウーさんは「いや一緒に行きましょう。妻もそう言ってます」と言う…。ウーさん…( ; ; )

ルート変更 …ナビィがおかしい(。・ω・。)

当初はピンクのラインに沿ってトレッキングする予定でした。ヒレからのスタートです(私たちはジープでウレリまで行きましたが)。

ルートのこと詳しくわからないので、とりあえず「地球の歩き方」に載ってるルート通りに行こうと思って…。ナビィさんには、タダパニ の次にガンドルンを経由してランドルンまで行き宿泊すると言ってました。

が、現地に着いてから色々調べると、ガンドルンからシワイ経由で山を下りる人が多いんですよね。英語で検索すると、トレッカーたちはみんなガンドルンから下ってる。もしくは逆に、ガンドルンから山に入って私たちの行ってるルートを逆に進んでる。

私はガンドルンには行きたかったけど、ランドルンは別に行かなくてもいいので、ガンドルンから下りるのがちょうどいい。ランドルンに行くにはきつい登りルートがあるので、私には地獄。絶対無理。

ナビィさんに、ランドルンには行かないでガンドルンに1泊してから下りる、とルートの変更を伝えました。明日ガンドルンに泊まって、それで山を下りてポカラに向かいたい、と。

ところが、ナビィさんは首を縦に振らない。やたらランドルン行きを進めてくる。…なんで?

「もう一度考えろ」とか「ガンドルンから下りる道はジープの道で歩くのに適してない」とか私と息子にランドルンに行くよう繰り返し言い続けた。1時間も!私も息子もうんざり…

ランドルンに行かないことになんか問題があるの?なんか怪しい…

ブランケット事件 

私は部屋の寒そうな布団を見てから、この宿にはネパールのブランケットはないのかな?と気になってました。

昨日の宿でネパールブランケットのことを話した女性は、山の宿にはどこでもネパールブランケットがあると言ってたし、ポカラのホテルのBikashさんも山の宿にはブランケットがあるから寝袋いらないって言ってたから、この宿でもあのあったかい毛布が置いてあるんじゃないのかな?

などと食堂で考えていたら、奥の部屋からブランケットを持って出てる人の姿が見えました。

丹下段平さんのデスクの後ろの部屋はキッチンとストックルームになっていて、そこからブランケットを持って出てる人がいた、ように見えたんです。

ナビィさんに「ブランケットは頼めばもらえるの?」と聞くと奥に聞きに言ってくれて「数が少ないけど一枚ならOKらしい」と言うので「じゃあ1枚欲しい」となりました。

ナビィさんと一緒に奥の布団がたくさん積み上げられた場所へ行き「どれがいい?」と聞かれました。えーっと…

「これ、ブランケットじゃないよ?」

ナビィさんが私に見せたのはいわゆる「ふとん」で毛布ではない。この「ふとん」は部屋にあるかけ布団と同じで、ちょっと寒そう。布団と毛布は違うよね?

私はナビィさんに、昨日のホテルにあったようなブランケットはないの?と聞くとナビィさんは少しイライラしてきた。

「ブランケットはこれだ!いらないのか?」

「ブランケットっていうのは昨日のホテルにあったようなやつじゃないの?さっき誰かブランケット持って行ってなかった?」

「この宿にあるブランケットは全部これだ。俺が嘘をついてると言うのか?」

ナビィさんの語気が荒くなってきたので私は少しびっくりした。そんなに怒ること?

昨日のような毛布がない、と言うなら仕方ないのでその布団をもう一枚もらうだけで我慢するしかないよね。毛布を持って出てたように見えたのは、私の見まちがい?山の宿にはネパールブランケットが必ずある、と言うのも私の勘違いか…

とりあえず布団を1枚持って行こうとしたら、ナビィさんが部屋まで運ぶと言う。けど、すごくイライラして怒ってる。

「ネパールブランケットを持って行った人がいるっていうなら、他の部屋を見に行って確認するか!?」

ナビィさんは怒りながら私に言う。ええっ?そんなに根にもつ?

ナビィさんはこのセリフを私たちの部屋に着くまでに何回も言ってきます。

誤解したのは私なので我慢して聞いてたけど、私たちの部屋に入ってからも、ナビィさんはまだ言います。「他の部屋を見に行ってブランケットがあるか確認するか!?」

ナビィしつこ過ぎる!プツンと何かが切れました。

「ナビィ、しつっこい!!(日本語)」

ルート変更の話でも、しつこくてウンザリしました。そのことでも私は腹を立ててたのかも。

「悪かったって謝ったじゃない!ブランケットの話を前のホテルで聞いて誤解したんだって言ったじゃない!(英語)いつまで言うねん!しつこいねん!!(日本語)」

怒って大声をだす私に息子は青ざめましたが、ナビィも青ざめて、なんか挙動不審に…

「す、すまない…。俺は、お腹が減るとイライラするんだ…悪かった…。あなたもお腹が空いてるんだろう?だからイライラしてるんだろう?」

「お腹空いてない!!」

「俺は、腹が減ると怒りっぽくなってしまう。あなたも何か食べたほうがいい…」

だからお腹減ってないって。とりあえずナビィはフラフラと部屋を出て行きました。

この後、息子は自分のスマホを食堂で充電したまま置いてきたことを思い出し、取りに行きました。が、息子はなかなか帰って来ず、30分くらいしてようやく部屋に戻ってきました。

「遅かったね。トイレ行ってたの?」

「…ナビィにつかまってた…」

ナビィは食堂に来た息子に「話がある」と言って外に連れ出し、息子はナビィさんの長い話に付き合わされたそうです。

「俺は今まで、たくさんの人と一緒にトレッキングをしてきた。いろんな人といろんな山に行ってきたがいつも喜んでもらえてた。君のお母さんはお腹が空いていたんだろう?(まだ言ってる)」

「俺は悲しい」ナビィさんは「アイムサッド」と何度も息子に言ったけど、息子はしら〜っとしていて反応が薄かったせいか、ナビィさんは「英語、理解できてるか?SADの意味知ってるか?」と寒い外でこんこんと自分の話を息子に聞かせ続けたらしい…(@_@)

翌朝。早朝のタダパニ は素晴らしい景色でした。

昨日の夜、息子は「ナビィと気まずいから、もうトレッキングに行けない」などと言ってましたが、私たちは表面的には何事もなかったかのように、すんなりトレッキングに出れました。私もナビィさんも大人です。

ガンドルンに向けて、また6人で出発します(・ω・)ノ